IE9ピン留め

オーケストラと観客  

先日、ニューヨークフィルのコンサートでiphoneのアラーム音が
演奏を中断させたという事件があった。

指揮はアラン・ギルバート、演目はマーラーの最高傑作とも言われる交響曲第9番。
その第4楽章の後半、非常にゆっくりとしたテンポで弦楽器だけの演奏になり、
マーラーが指示したように、音楽が「死に絶えるよう」にクライマックスへ向かっていく。
その部分で事件は起こったという。

恐らく観客の多くは、音楽に身を委ね、恍惚とした死に向かって陶酔の時を体験していたに
違いない。そこへあの「マリンバ」である…。

鳴りやまないアラーム音にマエストロが演奏を中断して、電源をオフにするよう促した。

オーケストラにとっても、観客にとっても、そして、「マリンバ」を鳴らしてしまった本人にとっても
あまりに不運なできごとだったと思う。
もし自分がそんな中でうっかりアラームを鳴らしてしまったら、
立ち直るにはそれなりの時間が必要になるだろう。

だいぶ前の話になるが、立川談志の噺を聞きに行って、やはり客席から携帯電話の音がした。
その少し前に、着信音が原因で高座から下りてしまったという事件があり、
客席にはただならぬ緊張感が走ったのを記憶している。

その時は、まくらの部分だったので、たしなめる程度で納まったが、
これが「芝浜」のクライマックスだったら、ただでは済まされなかっただろう。

音が鳴っている時、鳴っていない時、そのどちらも音楽を構成する大切な要素だ。
楽器を演奏する際に、つい、音を出すことに夢中になり、休符をきちんと休まないで
よく注意された。

パフォーミング・アートの場合は演者と観客の双方が協力して1つの音楽を体験する。
コンサートホールでは観客も表現者になるのだと思う。







# by addolcendo | 2012-01-17 23:32 | 音楽

心のこもった贈り物  

約束をすっぽかしたお詫びにと、友達から手渡されたのは、
白いリボンに上品なグレーの細長いボックス。
中から出てきたのは、ゴージャスなネックレス…
ではなく、
カラフルな宝石を散りばめたような、
トマトのパウンドケーキ!
(女友達がジュエリーくれるわけないか)

シンプルなパウンドケーキ生地の上には
フルーツキャンディのようなトマトとナッツ、
小さな赤い粒はピンクペッパー?



甘いトマトに残るかすかな酸味と
ペッパーの軽い刺激が、
新しい世界を見せてくれた。

これなら、ワインにも合いそう!

この美しいケーキを作っているのは、
Patisserie de Bon Coeur (パティスリー ドゥ ボン クーフゥ)
白金のLe Coffret De Coeurで購入できる。

Le Coffret De Coeurとはフランス語で「心のこもった箱」という意味だそう。
武蔵小山のSalon de Theではお菓子教室も開催している。
近々行ってみようかな。
あの美しいお菓子の作り方、是非ともマスターしたい。





# by addolcendo | 2011-08-23 23:25 | おやつ

maison de la bourgogne  

久しぶりの神楽坂。

去年はフランス語を習いに、毎週、泣きながら通った町…。

今日は友達とフランス料理を食べに、maison de la bourgogneへ。

ワインのことは詳しくないけれど、アメリカに住んでいる時に、
カリフォルニアワインで、白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールと覚えてしまったので、
同じように単一種のワインが多いブルゴーニュは、

分かりやすい=>オーダーしやすい=>好きになる

そんな単純な理由で、そればかり飲むようになってしまいました。

このお店は、グラスワインの種類も豊富なので、
あまり飲めない私でもいろいろ試すことができて嬉しいです。

今日は、Pouilly-Fuisseを頂きました。
高温多湿の日本の夏には、乾いた土を思い出させる辛口のシャルドネが、
一層心地よく感じられます。

ワインはさておき、今回はじめて頼んだデザートが、
あまりにもおいしくて、思わず選んだ自分に感謝。やるな、アタシ。

さわやかな酸味のきいたレモンソースの上に、
ミルクチョコレートのムースと、ダークチョコレートのムースが2段に
重なっているちょっと硬めのムースタワー!

2種類のチョコレートムースのレモンソースがけです。



甘くて濃厚なチョコレートムースとすっぱいレモンソースが、
アグレッシブに絡み合って…官能的!
フランス人パティシエさん渾身の品だそうです。
なるほど、この味、日本人にはちょっとつくれないかも。

日本のスイーツはあっさりしすぎていて物足りないという
甘いもの、チョコレートが大好きな方におススメします。
かなりガツンとくるので、真剣勝負でお願いしますね




# by addolcendo | 2011-08-13 01:11 | レストラン

京都老松の夏柑糖  

毎年恒例の涼しいおやつが届きました。

京都老松の夏柑糖です。

大きな夏蜜柑のヘタをつかんで蓋を取ると、
そこは、透き通ったオレンジ色の世界。

日本原産種の夏蜜柑の果汁と寒天、
それに少しのお砂糖だけで作られているそうです。

ゼラチンでつくるゼリーよりも柔らかく、ふるふると喉を潤して、
さっぱりとした甘酸っぱさが、口の中に涼を運んでくれます。

こういう繊細な味と食感は、やっぱり日本人の得意とするところなのでしょう。
体がほっとする、やさしいおやつです。




# by addolcendo | 2011-08-10 00:00 | おやつ

空気と水と愛情と  

ずっと気になってはいたものの、読む機会のなかった狐野扶実子さんの本、
フミコのやわらかな指‐料理の生まれる風景』 を読みました。

パリのコルドンブルーを首席で卒業し、フォションのエグゼクティブシェフを
務めるといった華々しい成功の陰には、執拗なまでの完璧主義と類まれなる
集中力があったことを知りました。

フランス人でさえ難しい世界なのに、東洋人の女性が成し遂げるなんて、
日本で言ったら、フランス人が一流料亭の板長になるくらいのインパクト?

自分の表現したい世界に妥協をしないからこそ、
あの繊細で、正確で、軽やかな、お料理が出来上がるのですね。

お料理には、空気と水と愛情が大切なのだと狐野さんは言います。
素材を丁寧に、大事に扱い、感覚を研ぎ澄ましてそれぞれの声を聞く、
そうして素材たちのハーモニーを引き出す。
偉大な指揮者がオーケストラの素晴らしい演奏を引き出すのと同じですね

そんな狐野さんのプロデュースするお料理は、
パリのギャラリー・ラファイエットの屋上レストラン、La Terrasseで
楽しむことができるそうです。

Gallerie Lafayette

こんな景色を見ながら、洗練されたお料理をいただく…あぁ、なんて贅沢。

いますぐ、パリに飛んで行きたい~
(でも夏休みはもう取っちゃった~ちーん)

# by addolcendo | 2011-08-04 23:27 |

< 前のページ 次のページ >